2009年10月28日水曜日

かべ

壁ーかべーとは

1)建物の外部を囲む仕切りや,建物の内部の仕切り
2)障害となり,突き破ることが難しいもの

と手元の電子辞書にあった。かべは仕切ることによって建物の空間を分ち,同時に支え,またその仕切られた空間のかたちを決定する重要な要素となる。一方、それが抽象的に使われるときには、一般にネガティブなニュアンスー取り払われなくては行けないのに、なかなかできないものを指して使われることが多いと思う。

何故かべをつくるのか?それは守るためでも,支えるためでも,区分するためでもある。また、かべによって分断された空間は,心地良くもあり,過ごしやすくもあり、他の空間のことを考えなくも良いので物事に集中することができ、自分を守ってくれるありがたい場所ともなる。一方で,外の空間と交わりたいのに、かべのなかに閉じ込められていると感じた瞬間に,自分を守ってくれているはずのかべの存在が,突如ひるがえって、自分を孤独な閉塞のなかに置き去りにした、あるいは、自分を混沌のるつぼに突き落とした犯人の仕掛けた罠のように、重く、分厚く立ちはだかって見えるのである。

守り,支え,自分がその内,あるいは外に存在しているのだ、という認識をさせるかべは、自分以外のまわりにも無数に存在する。それらが合わさって一つの分厚い壁、あるいはつながった空間を作っているとすれば、わたしの存在している世界や認識は、そのかすかな一部の層に過ぎない。層と層のつながりを意識することは,私を世界の一部にする。そして,美しく,醜く,高尚で低俗な、そして平和で野蛮なもの,大切な物とそうでないものが、目の前でゆっくりと合わさって行く。